知財高裁(平成24年3月21日)“集積回路装置の製造方法事件”は、「改正前特許法35条4項(サイト注:現7項)にいう『その発明により使用者等が受けるべき利益の額』・・・・は、本来、職務発明についての特許を受ける権利の承継時において、当該権利を取得した使用者等が当該発明の実施を独占することによって得られると客観的に見込まれる利益の額をいうと解されるが、特許を受ける権利自体が、将来特許登録されるか否か不確実な権利である上、当該発明により使用者等が将来得ることができる利益をその承継時において算定することは、極めて困難であることに鑑みると、その発明により使用者等が実際に受けた利益の額に基づき、『その発明により使用者等が受けるべき利益の額』を事後的に算定することも、『利益の額』の合理的な算定方法の1つであり、同項の解釈として許容し得るところというべきである」と述べている。 |