知財高裁(平成24年3月22日)“餅事件”は、「被告製品は、別紙被告製品図面(斜視図)のとおり、切り込み部13が対向二側面である側周表面12の長辺部に形成されており、本件発明と同様に、焼き上げるに際して切り込み部13の上側が下側に対して持ち上がり、最中やサンドウイッチのように上下の焼板状部の間に膨化した中身が挟まれた状態に膨化変形することで膨化による外部への噴き出しを抑制する構成を有する。そして、被告は、被告製品について、@平成15年9月ころから『サトウの切り餅パリッとスリット』との名称で販売し、切餅の上下面及び側面に切り込みが入り、ふっくら焼けることを積極的に宣伝・広告において強調していること、A平成17年ころから、切り込みを入れた包装餅が消費者にも広く知られるようになり、売上増加の一因となるようになったこと、B平成22年度からは包装餅のほぼ全部を切り込み入りとしたことが認められ、これらを総合すると、切餅の立直側面である側周表面に切り込み部等を形成し、切り込みによりうまく焼けることが、消費者が被告製品(別紙物件目録1ないし5)を選択することに結びつき、売上げの増加に相当程度寄与していると解される」、「上記のとおり被告製品・・・・における侵害部分の価値ないし重要度、顧客吸引力、消費者の選択購入の動機等を考慮すると、被告が被告製品・・・・の販売によって得た利益において、本件特許が寄与した割合は15%と認めるのが相当である」と述べている。 |