東京地裁(平成4年98日)“LED照明装置事件証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、被告は、Cの開発したLED照明を製造販売する会社として平成9年6月1日に設立された会社であること、被告においてはS製のLED素子を製品に使用していたが、同社製のLED素子は信頼性が高いものの照射角が狭かったため、蛍光灯のように光を拡散させるためにその照射角をいかに広げるかが被告における重要な研究課題となっていたこと、Cは、この課題を解決するため研究を続け、平成9年3月2日、同課題を解決する手段に関する特許出願・・・・を、さらに、同年5月0日、同様の実用新案登録出願・・・・を行い、その具体的な手段として、LED照明装置のカバーに中空部を設けて二重構造にし、レンズ効果で光の拡散を図ることを提示していたこと、Cはこの二重構造のアイデアを基に研究を続け、平成9年1月、アクリルカバーに関する発注を行い・・・・、さらに、平成0年5月頃、これを改良した部品の発注を行ったが、ここにおいて、既にカバーの内側を楕円形状にすることで光を拡散するという発想が示されていたこと、亡Xは、こうしたCの先行研究を基に本件発明を完成させたものであり、その研究のための場所、費用、機器及び資材は被告が提供したこと、本件発明の完成後、亡Xと被告代表者は、特許事務所との協議や特許庁の審査官面接に出席し、特許の手続費用は被告が負担したこと、以上の事実が認められる。上記事実によれば、亡Xが被告の従業員として本件発明を完成させ権利化するに当たっては、Cの相当程度の貢献があったというべきであって、これに被告における営業努力・・・・等の本件における一切の事情を考慮すると、被告の貢献度を5パーセントと認めるのが相当である」と述べている。

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