知財高裁(平成25年10月31日)“高透明性非金属カソード事件”は、「特許法29条2項適用の前提となる同条1項3号は、『特許出願前に・・・・頒布された刊行物に記載された発明』については特許を受けることができないと規定するところ、上記『刊行物』に『物の発明』が記載されているというためには、同刊行物に当該物の発明の構成が開示されていることを要することはいうまでもないが、発明が技術的思想の創作であること(同法2条1項参照)に鑑みれば、当該刊行物に接した当業者が、思考や試行錯誤等の創作能力を発揮するまでもなく、特許出願時の技術常識に基づいてその技術的思想を実施し得る程度に、当該発明の技術事項が開示されていることを要するものというべきである」と述べている。 |