知財高裁(平成5年1月1日)“傾斜測定装置事件控訴人は、本件各発明に基づいて計量器を製造するに際して、テクノリサーチ社が計量法0条1項に基づく届出をしていないことや、履歴事項全部証明書上の『目的』欄に測定器の開発・発明が記載されていないことを理由として、本件各発明はテクノリサーチ社の業務範囲に属しない旨主張する。しかし、職務発明に該当するか否かの基準となる『使用者等の業務範囲』とは、定款及びこれを反映した商業登記簿上の記載や計量法等の行政法規に基づく届出の有無によって判定されるものではなく、使用者が現に行っている、あるいは、将来行うことが具体的に予定されている業務がこれに該当するものと解される。そして、・・・・傾斜測定器の開発製造は、被控訴人から委託を受けたドラフトサーベイの改善業務と直接関連するものとして、テクノリサーチ社の現に行う業務に属するものであるから、控訴人の上記主張は採用できない」と述べている。

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