知財高裁(平成5年2月7日)“オープン式発酵処理装置事件「請求項2(本件発明2)についての本件訂正は、訂正前の特許請求の範囲の末尾の『を特徴とするオープン式発酵処理装置』との記載を、さらに特定事項X、Yを具備する『オープン式発酵処理装置』との記載に改めるものであるところ、従前は『長尺広幅の面域』としか特定されていなかったのを、この『面域』が『日を改めて投入する有機質廃物について、少なくとも複数日にわたるものをすでに投入したものとは別の空いた領域に経時的に投入することができるだけの』との要件(特定事項X)を充たす規模であることとし、かつ従前は『長尺壁』等としか特定されておらず、高さについて格別特定されていなかったのを、この『長尺壁』、『ロータリー式撹拌機』が『有機質廃物の堆積高さを高温発酵を確保するに足るだけの高さ構成を備えること(特定事項Y)とするものである。そうすると『面域』が『有機質廃物を経時的に投入堆積発酵処理する』もので、したがって『面域』がかかる処理に適した規模を有することが本件訂正前から含意されているとしても、本件訂正は『面域』の形状、規模を『長尺広幅』との構成以上に、特定事項Xに係る規模に明示的に限定するものであるし『長尺壁』、『ロータリー式撹拌機』の高さを特定事項Yに係る高さに明示的に限定するものであるということができる。したがって、請求項2に係る本件訂正(訂正事項2)は特許請求の範囲の減縮に当たり、訂正要件を充足するとの審決の判断に誤りはない」と述べている。

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