知財高裁(平成5年47日)“非水電解液二次電池事件原告は、本件訂正明細書において、実施例によってその効果が確認されているのは、実施例1〜3の3点のみであり、この3点から、本件発明の広い領域全てについて、・・・・本件発明の効果が奏されるとはいえないと主張する。しかし、・・・・本件発明は、集電体として市販の電解銅箔を使用した場合には、電解銅箔の一方の主面に大きな凹凸が形成され、両主面の表面粗さの差が大きすぎて、活物質と集電体の接触が悪いため、電池特性が悪くなるという問題を解決するために、マット面及び光沢面の表面粗さの上限値と、マット面と光沢面との表面粗さの差の上限値を特定したものである。マット面及び光沢面の表面粗さ、及びマット面と光沢面との表面粗さの差が、一定程度以下に小さければ、電池特性が悪くなるという問題が生じないことは明らかである。したがって、本件発明の数値限定を満足することにより優れた電池特性が得られることが、実施例1〜3によって裏付けられている以上、実施例が3点しかないからといって、本件発明がサポート要件を満たさないということはできない」と述べている。

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