東京地裁(平成25年4月19日)“無線アクセス通信システム事件”は、「『願書に最初に添附した明細書又は図面に記載した事項の範囲内』とは、当業者によって、明細書又は図面の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるときは、当該補正は、『明細書又は図面に記載した事項の範囲内』においてするものということができるというべきところ、上記明細書又は図面の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項は、必ずしも明細書又は図面に直接表現されていなくとも、明細書又は図面の記載から自明である技術的事項であれば、特段の事情がない限り、『新たな技術的事項を導入しないものである』と認めるのが相当である。そして、そのような『自明である技術的事項』には、その技術的事項自体が、その発明の属する技術分野において周知の技術的事項であって、かつ、当業者であれば、その発明の目的からみて当然にその発明において用いることができるものと容易に判断することができ、その技術的事項が明細書に記載されているのと同視できるものである場合も含むと解するのが相当である」と述べている。 |