知財高裁(平成25年4月24日)“ラケットグリップの補助具事件”は、「特許法は、1つの特許出願に対し、1つの行政処分としての特許査定又は特許審決がされ、これに基づいて1つの特許が付与され、1つの特許権が発生するという基本構造を前提としており、請求項ごとに個別に特許が付与されるものではない。このような構造に基づき、複数の請求項に係る特許出願であっても、特許出願の分割をしない限り、当該特許出願の全体を一体不可分のものとして特許査定又は拒絶査定をするほかなく、一部の請求項に係る特許出願について特許査定をし、他の請求項に係る特許出願について拒絶査定をするというような可分的な取扱いは予定されていない。このことは、特許法49条・・・・、51条の文言のほか、特許出願の分割という制度の存在自体に照らしても明らかであるといえる。そうすると、特許出願に係る発明中に、特許法29条等により特許をすることができないものが存するときは、その特許出願は全体として拒絶されることとなり、この理は、審査官による審査においても、拒絶査定不服審判においても異なることはないと解される」と述べている。 |