東京地裁(平成25年5月16日)“傾斜測定装置事件”は、「本件各発明は、ドラフトサーベイをより正確かつ簡便に行うことのできる傾斜測定装置の発明であり、テクノリサーチ社が被告の委託を受けて行っていたドラフトサーベイの改善業務と直接関連するものであるから、その性質上、テクノリサーチ社の業務範囲に属すると認められる」、「これに対し、原告は、本件各発明はドラフトサーベイに用いるものであるところ、ドラフトサーベイは港湾運送事業法所定の許可を受けた者しか行うことができないから、その許可を受けておらず、将来的にも許可を受ける予定のないテクノリサーチ社の業務範囲に属することはなく、その従業員である原告の職務に属することもない旨主張する。そこで判断するに、ドラフトサーベイを行えるのが上記許可を受けた者に限られることと、ドラフトサーベイに関する業務の改善を図り、これに用いる装置の発明を行うことは別問題であって、許可を受けていない者が、ドラフトサーベイそれ自体を行うのではなく、その改善活動に携わり、装置の発明をすることが妨げられることはないと解される。したがって、原告の上記主張を採用することはできない」と述べている。 |