大阪地裁(平成25年5月23日)“剪断式破砕機の切断刃事件”は、「特許法102条2項により、特許権を侵害した者がその侵害行為により利益を受けているときは、その利益の額が特許権者の受けた損害額と推定されるが、特許発明の実施が被告製品の売上げに寄与した度合によっては、上記損害額の推定の全部又は一部が覆滅されるものと解される」、「被告製品のような分割式の切断刃自体は公知のものであり・・・・、本件特許発明の実施品たる構成を備え、切断刃の取外し作業の効率性を高めている点を除き、格別の特徴を有するわけではないのであるから、本件特許発明の実施品であることこそが被告製品にとって最も重要な差別化要因であったといえる。現に証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、被告から被告製品を購入した顧客らは、被告製品の『輪形凹部3で形成した係合部』と係合する切断刃交換装置を保有しており、被告製品が本件特許発明の実施品であるからこそ発注、購入したものと認められる。したがって、本件特許発明の実施が被告製品の売上げに寄与した度合は、むしろ大きいというべきであって、損害額の推定の全部又は一部が覆滅されるべき事情があったとは認められない」と述べている。 |