東京地裁(平成25年9月12日)“洗濯機用水準器事件”は、「証拠・・・・によれば、洗濯機は、水平に据え付けられないと、振動や騒音が大きくなって、洗濯することができない場合があることが認められるから、被告製品4の洗濯機用水準器は、洗濯機の洗濯機能を十分に発揮させるための重要な部品であるということができる。もっとも、洗濯機の中核的な機能は、洗濯することにあるから、上記水準器は、洗濯機の補助的な部品であるといわざるを得ない上、これを使用するのは主に洗濯機を購入して設置する時や転居等で移設する時くらいであって、使用頻度は高くなく、また、はめ込み式でない水準器等でも代替することができるのであって・・・・、被告らがカタログ等で本件発明4の効果を広告、宣伝していたことを認めるに足りる証拠もないから、被告製品4の水準器が被告製品4を購入する際の動機の形成に寄与するとは考え難い。そして、弁論の全趣旨によれば、被告製品4の水準器の仕入価格は約●(省略)●円で、被告製品4の平均製造原価約●(省略)●円の約●(省略)●%を占めるにすぎないことが認められる。これらを総合すれば、被告製品4における本件発明4の寄与率は、0.2%であると認めるのが相当である。本件発明4は、・・・・取付けに別部品を必要とせず、当接面に凹凸があっても、安価に精度良く取り付けることができ、視認性にも優れる洗濯機用水準器を提供するという従来技術では達成し得なかった技術的課題を解決するために、ケースと係合部を一体に形成するとともに、ケースの外方にケース及び蓋体よりも下方へ突出する外部ケースを一体に備えさせたものであるが、被告製品4の水準器は、平面よりも高価で精度誤差も生じやすい4つのリブの各上端部に当接しているのであるから、本件発明4の効果を十分には得ていない。このことを基本として、本件に現れた諸事情を総合考慮すれば、本件発明4の実施料率は3%であると認めるのが相当である」、「そうすると、・・・・本件特許権4の存続期間における被告製品4の売上高は、・・・・約513億6900万円・・・・であり、被告製品4における本件発明4の寄与率は0.2%、本件発明4の実施料率は3%であるから、次の計算式のとおり、・・・・原告らは、それぞれこれらに相当する額の金銭を自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。(計算式)513億6900万円×0.002×0.03÷2=154万1070円」と述べている。 |