知財高裁(平成25年9月19日)“太陽電池用平角導体事件”は、「先願基礎発明は、耐力に係る数値範囲を19.6ないし49MPaとするものであるが、先願基礎明細書・・・・には、太陽電池用平角導体の0.2%耐力値を、本願発明のように、90MPa以下(ただし、49MPa以下を除く)とすることを示唆する記載はない。また、半導体基板に発生するクラックが、半導体基板の厚さにも依存するものであるとしても、耐力に係る数値範囲を本願発明のとおりとすることについて、本件出願当時に周知技術又は慣用技術であると認めるに足りる証拠はないから、先願基礎発明において、本願発明と同様の0.2%耐力値を採用することが、周知技術又は慣用技術の単なる適用であり、中間層の構成や半導体基板の厚さ等に応じて適宜決定されるべき設計事項であるということはできない。したがって、本願発明と先願基礎発明との相違点に係る構成(耐力に係る数値範囲の相違)が、課題解決のための具体化手段における微差であるということはできない」、「以上のとおり、本願発明と先願基礎発明とは、実質的に同一の発明であるということはできない」と述べている。 |