知財高裁(平成6年2月7日)“金属製棚事件特許法102条2項に基づいて損害賠償を算定するに当たり、同項に定める侵害行為から受けた『利益』とは、当該特許権を侵害した製品の売上合計から原材料費ないし仕入れ価格の合計を控除した上で、さらに、侵害製品の販売数量の増加と直接関連して変動する経費のみを控除したものを指すと解するのが相当である。また、当該侵害品の販売と関連する一定の費用を要したとしても、そのことが侵害行為を行った者の会計処理上明らかでない場合は、原則として、当該費用を変動経費に算入すべきではない。なぜなら、上記の損害賠償の算定に当たって、当該費用を侵害品と明確に関連性させて処理していないことによる不利益は、侵害を行った者が負うのが相当だからである」と述べている。

特許法の世界|判例集