知財高裁(平成26年12月18日)“乾燥リポソーム製薬組成物を含むパッケージ事件”は、「特許法49条及び51条の各規定の文言や特許出願分割制度の存在に照らせば、特許法は、1つの『特許出願について』、その全体につき拒絶査定か特許査定かのいずれかの行政処分を行うべきことを規定しているものと解すべきであるから、1つの特許出願に包含された複数の発明のうちの1つについて特許法29条等の規定により特許を受けることができないときは、これによって、当該特許出願に包含された他の発明の特許要件の有無にかかわらず、当該特許出願全体が特許法49条2号に該当し、拒絶すべきものとなる。かかる結論は、当該特許出願に包含された複数の請求項のうちの1つの請求項に係る発明について、特許できないものが存する場合であると、単一の請求項に択一的な形式によって記載された複数の発明(特許法施行規則25条の8第3項参照)のうちの1つについて、特許できないものが存する場合であるとを問わない。本願発明は、パッケージの材質について、『プラスチック材料、紙又は厚紙製』と択一的に記載しているから、パッケージがプラスチック材料製である場合、紙製である場合及び厚紙製である場合、という、各々独立した3つの発明が包含されていると解される。そうすると、そのうち1つの発明について特許要件を欠く場合は、その余の2つの発明について検討するまでもなく、本願は全体として拒絶されることとなる」と述べている。 |