知財高裁(平成26年12月24日)“果菜自動選別装置事件”は、「被告は、甲1発明の仕分けが箱詰めのための仕分けであるのに対して、甲2発明の仕分けはシュートに送り出すための仕分けであること、甲1発明は箱詰めに先立って果菜を計測部で計測してからの仕分けであるのに対して、甲2発明は計測しないこと等々から、甲1発明は計測装置の技術分野あるいは箱詰装置の技術分野に属するものであるのに対し、甲2発明は計測の目的も箱詰めの目的もない単なる仕分けの技術分野に属するものであるから、甲1発明と甲2発明はこの意味でも技術分野が異なると主張する。しかし、・・・・甲1発明は、箱詰めに先立ってボックス内に整列させる際に、果菜が壁面に当接したり、整列させる果菜の相互接触により、果菜に打ち傷や擦り傷が付いたりとの問題があることから、それを解決するために、搬送中に果菜同士が接触しないよう離間した姿勢に保持して搬送するなどの解決策をとったものであり、甲2発明も、搬送品同士の衝突、排出の際の落下等による搬送品の損傷や破損を回避するために、搬送する方向に直交する移送シートにより側方へ排出するとの構成をとったものであり、両発明とも、搬送品の損傷を回避すること課題とする点で共通しており、それが最終的に箱詰めされるか、仕分けシュートに排出されるかは、技術課題との関係で、本質的ではないというべきである。また、甲1発明は、計測部において『サイズ・品質・重量』を計測した上で振り分けるものであり、甲2発明が、『計測』ではなく、仕分けコード番号に基づいて振り分けるものであったとしても、これらは振り分けの契機にすぎないのであって、コード番号の読み取りであれ、計測であれ、物品を振り分けて搬送するという技術に違いはない以上、技術分野が相違するということはできない。被告の上記主張は、採用できない」と述べている。 |