知財高裁(平成6年6日)“渋味のマスキング方法事件甘味閾値の測定方法が訂正明細書に記載されていなくとも、極限法で測定したと当業者が認識するほど、極限法が甘味の閾値の測定方法として一般的であるとまではいえず、また、極限法は人の感覚による官能検査であるから、測定方法等により閾値が異なる蓋然性が高いことを考慮するならば、特許請求の範囲に記載されたスクラロース量の範囲である0.0012〜0.003重量%は、上下限値が2.5倍であって、甘味閾値の変動範囲(ばらつき)は無視できないほど大きく『甘味の閾値以下の量』すなわち『甘味を呈さない量』とは、0.0012〜0.00重量%との関係でどの範囲の量を意味するのか不明確であると認められるから、結局『甘味を呈さない量』とは、特許法6条6項二号の明確性の要件を満たさないものといえる」と述べている。

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