知財高裁(平成26年7月17日)“エレベータ事件”は、「本願の優先権主張日である平成14年11月4日時点において、『機械室なしエレベーター』という語は、駆動装置を昇降路内に設置し、昇降路以外の場所に駆動装置を設置するための専用の空間を設けていないエレベーターを意味する用語として、エレベーターの技術分野において一般的に用いられている用語であったことが認められるから、本件明細書に記載されている『機械室のないエレベータ』、『機械室なしのエレベータ』という語についても、上記意味と異なる意味に解すべき特段の事情がない限り、上記の『機械室なしエレベータ−』の意味、すなわち、駆動装置を昇降路内に設置し、駆動装置を設置するための専用の空間を設けていないエレベーターを意味する用語として用いられているものと認めるが相当である。このような観点から、・・・・本件明細書の記載をみると、『機械室のないエレベータ』、『機械室なしのエレベータ』の語を、駆動装置を昇降路内に設置し、駆動装置を設置するための専用の空間を設けていないエレベーターを意味するものとして解して矛盾はなく、また、これらの語を、上記意味と異なる意味に解すべき特段の事情は認められない。したがって、特許請求の範囲の請求項1における『該エレベータには機械室がなく』の意味については、本件明細書における『機械室のないエレベータ』、『機械室なしのエレベータ』という語と同様の意味、すなわち、『該エレベータ』が、駆動装置を昇降路内に設置し、駆動装置を設置するための専用の空間を設けていないエレベーターであることを意味するものと認められる」と述べている。 |