知財高裁(平成6年4日)“雪下ろしロボット事件本願発明は、請求項1(サイト注:『請求項1雪国の屋根の雪下ろしロボットで切り妻屋根の棟の上に水平にアルミ又はステンレス製のレールを取り付けその上に二輪の小型トラックを組み付け車内にウインチを格納する。このワイヤーで繋いだ小型ラッセル車で雪を排除するためのシャベルが幅0〜0センチ程度のものを屋根上に乗せる。これらは地上から降雪時にリモコンで発進されて雪を大屋根から軒下へと速やかに排除しつつ屋根全体を真っ直ぐに走り降りすぐに巻き上げられてシャベル幅だけ左または右へ移る。これらは電気自動車とする。これにより危険な人力による雪下ろし事故を防ぐことが出来る。寄せ棟屋根の場合は図に示した様に棟より2メートル程度下げてレールを4周に水平に取り付けておけば大部分の雪を一台のラッセル車で下ろせる。ハンドルのリモコン操作をすれば寄せ棟に添って斜めに雪を排除することも可能であろう。』)によれば、@本来、分けて記載すべき2以上の発明を記載したもの A原告が主張する『切り妻屋根だけでなく、寄せ棟屋根についても使える発明』を記載したもの B当該ラッセル車などの共通の構成を備える『切り妻屋根』又は『寄せ棟屋根』に択一的に用いられる発明を記載したもののいずれとも解釈できるものである。このことに加えて、・・・・本願発明は『物の発明』であるのか『方法の発明』であるのかが明確でなく、そのため、前記のとおり、特許請求の対象が何であるかが不明確であることと相まって、請求項1の記載から発明を特定して把握することができず、本願発明に係る特許請求の範囲請求項1の記載は不明確であるというべきである」、「本願発明に係る特許請求の範囲の記載が特許法6条6項2号の明確性の要件を充足しない・・・・との本件審決の判断に誤りはない」と述べている。

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