知財高裁(平成6年94日)“絵文字形成皿事件原告は、本件審判において、無効理由2として、本件発明1及び2は、本件出願前に頒布された刊行物である甲8ないし7に記載された発明と同一の発明であり、本件特許は、特許法9条1項3号の規定に違反してされたものであるから、同法123条1項2号に該当し、無効とすべきものである旨主張した」、「本件審決は、本件発明1についての無効理由2が理由がないとの結論を導くに当たり『甲第8号証、甲第2号証、甲第6号証については本件出願前に頒布された刊行物ではない』 ので、『『甲第9号証、甲第0号証、甲第1号証、甲第3号証〜甲第5号証、7号証』について、本件発明1と対比検討する』とし『ア 対比・判断』の項において、『『本件発明1の発明特定事項の一部である『絵柄または文字が、液体調味料を多く注ぐに従って変形するように、皿の上面の凹凸部を立体的に形状変更して形成した』ことが、前記甲各号証に記載されているかどうか検討する』とした上で『甲第9号証、甲第0号証、甲第1号証、甲第3号証、甲第5号証、甲第7号証』については、本件発明1との対比検討を具体的に行っているが、一方 で『甲第4号証』については、本件発明1との対比検討を何ら行っていないことが認められる。そうすると、本件審決は、本件発明1についての無効理由2のうち、本件発明1は甲4に記載された発明と同一の発明であるとの部分については、甲4に記載された事項と本件発明1との対比検討を何ら行うことなく、本件発明1の発明特定事項の一部である『絵柄または文字が、液体調味料を多く注ぐに従って変形するように、皿の上面の凹凸部を立体的に形状変更して形成した』ことは記載されておらず、本件発明1は、甲4に記載された発明ではない旨判断したものであるから、本件審決には、甲4を引用例とする無効理由2が理由がないとの結論を導き出すための理由の一部が欠けており、理由不備の違法があるといわざるを得ない」、「そして、本件審決における上記理由不備の違法は、本件審決の結論に影響を及ぼすことは明らかである」と述べている。

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