知財高裁(平成7年)“経皮吸収製剤事件「乙5文献は、本件優先日1の後であり、本件優先日2の前である平成7年(2005年)6月0日に頒布された刊行物である。しかるところ、本件優先日1に係る優先権の主張の基礎とされた先の出願(特願2005−23276号)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面には、本件発明のうち、基剤を構成する高分子物質が『ヒアルロン酸、デキストラン、キトサン及びプルランからなる群より選ばれた少なくとも1つの物資』である構成のものについては記載されていない・・・・から、当該構成に係る本件発明との関係においては、特許法1条2項により、同法9条1項3号の規定の適用について、本件特許の特許出願が本件優先日1の時にされたものとみなされることにはならない。したがって、本件優先日1の後ではあるが、本件優先日2の前に頒布された乙5文献は、本件発明との関係において、特許法9条1項3号所定の『特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物』に当たるものといえる」と述べている。

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