知財高裁(平成7年2日)“生海苔異物分離除去装置における生海苔の共回り防止装置事件特許法102条3項の『その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額』とは、特許権者等が侵害者から得べかりし実施料相当額と解されるから、原則として、侵害品(直接侵害品又は間接侵害品)の売上高を基準とし、そこに、当該特許発明自体の価値や当該特許発明を当該製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献などを斟酌して相当とされる実施料率を乗じて算定するのが相当である」、「本件各発明は、公知の回転板方式の生海苔異物分離除去装置に、共回りの発生をなくし、クリアランスの目詰まりの発生を防ぐための手段を付加した点に技術的意義があるものであって、共回り防止手段に係る構成(共回り防止装置)は、回転板方式の生海苔異物分離除去装置である被告装置のうちの一部にとどまり、また、もともと、従来技術である回転板方式による生海苔異物分離除去装置自体が、異物分離除去機能を発揮するものである。以上のような本件各発明の技術的意義や共回り防止手段に係る構成の被告装置全体における寄与度をはじめとする・・・・諸事情を総合的に斟酌すると、本件各発明の実施に対し受けるべき金銭の額としては、被告装置(サイト注:直接侵害品)の売上高の3%が相当である」、「本件固定リング及び本件板状部材(サイト注:いずれも被告装置の専用交換部品である間接侵害品)は、被告装置における共回り防止手段を構成する部材であることからすれば、これらについては、本件各発明の実施に対し受けるべき金銭の額としては、本件固定リング及び本件板状部材の売上高の各0%が相当である」、「被告装置の売上高である9億7164万円に、3%を乗じると、一審原告が受けるべき額は、5914万9200円となる」、「本件固定リングの売上高である4200万1550円に、0%を乗じると、一審原告が受けるべき額は、420万0155円となる」、「本件板状部材の売上高である378万7600円に、0%を乗じると、一審原告が受けるべき額は、7万8760円となる」と述べている。

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