知財高裁(平成27年3月25日)“生体吸収性の傾斜した多孔質複合体事件”は、「発明者とは、当該発明における技術的思想の創作に現実に関与した者、すなわち当該発明の特徴的部分を当業者が実施できる程度にまで具体的・客観的なものとして構成する創作活動に関与した者を指すものと解される。そうすると、共同発明者と認められるためには、自らが共同発明者であると主張する者が、当該発明の特徴的部分を当業者が実施できる程度にまで具体的・客観的なものとして構成する創作活動の過程において、他の共同発明者と一体的・連続的な協力関係の下に、重要な貢献をしたといえることを要するものというべきである」、「本件基礎出願発明8及び9の特徴的部分であるビニル基導入・放射線照射は、遅くとも平成23年2月初めころまでには、本件共同研究の成果として、これを当業者が実施できる程度にまで具体的・客観的なものとして構成され完成に至ったものと認められるところ、Aは、ビニル基導入・放射線照射の着想をしただけでなく、これを当業者が実施できる程度にまで具体的・客観的なものとして構成するための創作活動の過程において、CやSと共に、一体的・連続的な協力関係の下に、共同研究者として、重要な貢献をしたものということができる。したがって、Aは、本件基礎出願発明8及び9の共同発明者であると認めるのが相当である」と述べている。 |