知財高裁(平成7年43日)“選択信号方式の設定方式事件「原判決において認定した諸事情は、すべて認定の基礎とすることができ、これらを考慮すると、被告の貢献度としては5%と認めるのが相当である」、「原告は、原判決にいうNCU技術は、原告が入社した際には、既に公知となっている技術であり、被告が独自に開発した技術ではないことから、被告の貢献として考慮に入れるべき性質のものではない旨主張する。しかし、旧5条4項(サイト注:現7項)の趣旨は、職務発明から生ずる権利や利益を、資金や資材等の提供者である使用者と技術的思想の提供者である従業員との間で衡平に分配し、互いの利益を調整することであると解され、使用者の貢献について、原告の主張する『特段の貢献』である必要がないことは、原判決・・・・の述べるとおりである。したがって、原告が、原判決認定のとおり、被告社内でNCUの設計開発に携わり、公知の技術を含めた被告におけるNCU技術の蓄積に接する中で本件発明が完成されたことは、被告の貢献度を示す一事情となることが明らかであるから、原告の上記主張は採用できない」と述べている。

特許法の世界|判例集