知財高裁(平成7年58日)“パチンコ台取付装置事件「特許発明の本質的部分とは、特許請求の範囲に記載された特許発明の構成のうちで、当該特許発明特有の課題解決手段を基礎付ける特徴的な部分、換言すれば、同部分が他の構成に置換されるならば、全体として当該特許発明の技術的思想とは別個のものと評価されるような部分をいうものと解される」、控訴人は、本件相違点3に関し、・・・・本件発明の本質的部分は『グリップベース』の上下方向の可動性であり『スライドボルト』の上下方向の可動性ではない・・・・旨主張する」、しかしながら、・・・・本件発明は、上部取付装置0の自動高さ整機能によって、島枠構造の高さと台枠の高さとの間に差があっても、自動的に調整できる構造を備えたパチンコ台取付装置の提供という、従来の技術の問題点に係る課題の1つを解決するものであるところ、上記機能に必須の要件といえるグリップベース5の上下方向の可動性は、グリップベース5が固定されたスライドボルト3が『上下方向に移動可能に保持されること』という構成によって確保されている。この点に鑑みると、本件発明においては『グリップベース』の上下方向の可動性よりも、その必要不可欠な前提である『スライドボルト』の上下方向の可動性が、本質的部分を構成するものとみるべきである」、被告製品は、均等の第1要件(非本質的部分)・・・・を充たさない」と述べている。

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