知財高裁(平成27年9月24日)“燃料電池用石油系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼事件”は、「当業者が、引用発明1−1に基づいて、引用発明1−1に開示されたフェライト系ステンレス鋼を、本件発明1の燃料電池用石油系燃料改質器の用途に使用することを容易に想到できたか否かを判断するに当たっては、引用発明1−1に係るフェライト系ステンレス鋼について、これを本件発明1の燃料電池用石油系燃料改質器用のフェライト系ステンレス鋼に用いることについての動機付けがあり、本件発明1の・・・・高温水蒸気耐酸化性、耐熱疲労特性、高温強度を備えるものとすることを容易に想到し得るかを検討しなければならない」、「引用例1には、引用発明1−1のフェライト系ステンレス鋼を燃料電池用石油系燃料改質器の部材として使用することについての記載も示唆もない上、当業者であっても、引用発明1−1に係るフェライト系ステンレス鋼が、少なくとも燃料電池用石油系燃料改質器に要求される高温水蒸気耐酸化性及び耐熱疲労特性を備えるものと予測することは困難であるから、引用発明1−1のフェライト系ステンレス鋼を燃料電池用石油系燃料改質器に用いることについての動機付けがないというべきである。そうすると、当業者が、引用発明1−1に基づいて、引用発明1−1のフェライト系ステンレス鋼を、燃料電池用石油系燃料改質器に用いることを容易に想到し得たということはできない」と述べている。 |