大阪地裁(平成28年1月21日)“パック用シート事件”は、「被告に納入されたパック用シート●●●●●●●●のうち、被告製品として譲渡されたのは●●●●●●●●であり、その差である●●●●●●●●については、納入されたが譲渡されなかったものである。しかし、被告製品のパック用シートが特殊な形状をしていることからすると、被告は、シートの製造業者に発注して被告製品用のパック用シートを製造させたと推認され、そうすると、被告は、パック用シートの製造行為を行ったと評価すべきである。そして、パック用シートの製造も本件特許発明の実施であり、侵害行為に当たるから、納入されたが譲渡されなかった分も損害賠償の対象とするのが相当である。もっとも、被告は、これらについては、その価値を市場に提供して利用したわけではないことからすると、これを有償譲渡と同視し、・・・・想定市場販売価格を基礎として実施料相当額を算定するのは相当でない。そこで、これらシートについては、その製造自体の価値を示すものとして、その納入価格を基礎として実施料相当額を算定するのが相当であり、証拠・・・・によれば、シート1枚当たりの納入価格は●●円であると認められる」、「これらシートの納入価格には、美容液の価値が考慮されていないから、被告製品用のシートを製造したが譲渡しなかった場合の実施料率は、●●(サイト注:4%)と認めるのが相当である」と述べている。 |