東京地裁(平成28年3月28日)“建築用パネル事件”は、「被告は、当裁判所がした本件文書提出命令にもかかわらず、正当な理由なく、対象文書を提出しなかったものである。そこで、民訴法224条1項又は3項の規定により、対象文書の記載に関する原告の主張を真実と認め、又は対象文書により証明すべき事実に関する原告の主張を真実を認めることができるかについて検討する。対象文書は、被告の売上伝票、請求書控え、製造原価報告書及び経費明細書(製造経費及び販売経費)であって、被告の業務に際して作成される会計帳簿書類であるから、その記載に関して、原告が具体的な主張をすることは著しく困難である。また、原告が、対象文書により立証すべき事実(被告における平成23年1月1日から平成27年4月20日までの被告各製品の売上高及び利益の額が原告の主張する額であること)を他の証拠により立証することも著しく困難である。そうすると、民訴法224条3項の規定により、被告における平成23年1月1日から平成27年4月20日までの被告各製品の売上高及び利益の額は、原告の主張、すなわち、被告は、平成23年1月1日から平成27年4月20日までの間に、被告各製品を販売して合計8億1715万2306円を売り上げ・・・・、かつ、被告各製品の利益率はいずれも15パーセントを下回ることはないとの事実を真実であると認めるのが相当である」と述べている。 |