東京地裁(平成8年55日)“畦塗り機事件構成要件1Cにいう『連結片』とは、特許請求の範囲の記載に照らせば、隣接する整畦板を相互に『連結』する『片』であるといえるところ『連結』とは『つらねむすぶこと。むすびあわせること』という意義を有し(広辞苑第六版)、『片』とは『ひときれ。きれはし』という意義を有することから(広辞苑第六版・・・)、『隣接する整畦板を互いに結び合わせるひときれの部材』という意味であると解するのが相当である。しかるところ、・・・・被告製品1の『連結部材』は、隣接する整畦板の各裏面にそれぞれ固定されて両整畦板を互いに結び合わせており、かつ、その形状からして『ひときれの部材』ということができる。そうすると、被告製品1の『連結部材』は、構成要件1Cにいう『連結片』に該当するものと認められる」、「この点について、被告は連結片』については、特許請求の範囲の記載のみではその意義が明らかでなく、本件明細書の発明の詳細な説明中連結片』について記載された唯一の文章を参酌してもなお、その意義が明らかでないとして、本件明細書の図8に図示された構成を意味すると限定解釈すべきである旨主張する。しかし、上記のとおり連結片』の意義は、特許請求の範囲の記載自体から明確であって、その技術的範囲を確定するために本件明細書の記載を参照するにしても、その意義を一実施例として図8に図示された構成に限られると解すべき理由はない」と述べている。

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