知財高裁(平成8年6月1日)“破袋機事件証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、一審原告は、平成2年1月9日から平成6年3月8日までの間に、原告製品について4台の発注を受けたこと、その売上額の合計は9039万円であることが認められる」、「証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、一審原告における原告製品の販売、製造、納品の形態に関し、@一審原告は、原告製品の製造を第三者に外注しており、外注費を含めた上記4台の仕入額(原材料費、消耗材料費、外注加工費及び納品輸送費等)の合計は、4121万1631円であること、A製造された原告製品は、外注先から注文者(一審原告の顧客)に直接納品されること、B一審原告は、原告製品の在庫を保有しておらず、原告製品について製品保険を付していないこと、C一審原告は、破袋機を専門に取り扱う営業担当者を雇用していないことが認められる。上記事実によれば、原告製品の取引における、原材料費、消耗材料費、加工費、納品費用(輸送費を含む)等は、上記@の仕入額に含まれているものと認められる。また、上記のとおり、一審原告は、破袋機を専門に取り扱う営業担当者を雇用しておらず、上記4台の原告製品を製造、販売するために増加した人件費、すなわち、上記@の仕入額とは別に変動経費として控除すべき人件費が生じていると認めることはできず、さらに、一審原告は原告製品の在庫を保有しておらず、製品について保険を付していないことから、保管費や保険費用等が変動経費として生じていると認めることもできない。以上によれば、前記@の仕入額のほかに原告製品の売上額から控除すべき変動経費を認めるに足りない」、「そうすると、原告製品1台当たりの限界利益額は、351万2740円9039万円−4121万1631円)÷4。円未満切捨て。以下同じ)と認めるのが相当である」と述べている。

特許法の世界|判例集