知財高裁(平成8年69日)“Web−POS方式事件控訴人は、本件発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから特許法9条2項の規定により特許を受けることができないとの拒絶理由通知に対して、本件意見書を提出したものである。そして、・・・・控訴人は、本件意見書において、引用文献1に記載された発明における注文情報には商品識別情報が含まれていないという点との相違を明らかにするために、本件発明の『注文情報』は、商品識別情報等を含んだ商品ごとの情報である旨繰り返し説明したものである。そうすると、控訴人は、ユーザが所望する商品の注文のための表示制御過程に関する具体的な構成において、Web−POSサーバ・システムが取得する情報に、商品基礎情報を含めない構成については、本件発明の技術的範囲に属しないことを承認したもの、又は外形的にそのように解されるような行動をとったものと評価することができる。そして、本件ECサイトの制御方法において、管理運営システムにあるサーバが取得する情報には商品基礎情報は含まれていないから、同制御方法は、本件発明の特許出願手続において、特許請求の範囲から意識的に除外されたものということができる。したがって、均等の第5要件の充足は、これを認めることができない」と述べている。

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