東京地裁(平成28年6月30日)“生海苔異物分離除去装置における生海苔の共回り防止装置事件”は、「被告ワンマンは、本件装置1を合計2億8356万4000円(税抜)で仕入れ、これを合計3億2211万2500円(税抜)で販売した。したがって、被告ワンマンによる本件装置1の売上から仕入代金を控除した額は、3854万8500円(税抜)となる」、「被告ワンマンは、本件各部品を合計209万3800円(本件固定リングにつき184万5000円、本件板状部材につき24万8800円。いずれも税抜)で仕入れ、これを合計257万3484円(本件固定リングにつき222万2400円、本件板状部材につき35万1084円。いずれも税抜)で販売した。したがって、被告ワンマンによる本件各部品の売上から仕入代金を控除した額は、47万9684円(税抜)となる」、「被告西部機販は、本件装置2を合計3425万7000円(税抜)で仕入れ、これを合計3890万円(税抜)で販売した。したがって、被告ワンマンによる本件装置2の売上から仕入代金を控除した額は、464万3000円(税抜)となる」、「被告西部機販は、本件各部品を合計58万1800円(本件固定リングにつき55万円、本件板状部材につき3万1800円。いずれも税抜)で仕入れ、これを合計70万4600円(本件固定リングにつき66万円、本件板状部材につき4万4600円。いずれも税抜)で販売した。したがって、被告西部機販による本件各部品の売上から仕入代金を控除した額は合計12万2800円(税抜)となる」、「上記・・・・のとおり、本件装置1及び本件各部品の販売によって被告ワンマンが得た利益(税込)は4097万9593円(計算式は、(3854万8500円+47万9684円)×1.05。なお、原告の主張するとおり、平成26年4月分以降の取引も含めて一律に消費税率を5%として計算する。以下同じ)、本件装置2及び本件各部品の販売によって被告西部機販が得た利益(税込)は500万4090円(計算式は、(464万3000円+12万2800円)×1.05)とそれぞれ認められ、上記各利益の額が、原告が受けた損害の額と推定されるところ(法102条2項)、これを覆すに足る具体的事情の存在はうかがわれない。したがって、原告は、被告ワンマンによる本件装置1及び本件各部品の販売により、4097万9593円の損害を、被告西部機販による本件装置2及び本件各部品の販売により、500万4090円の損害を、それぞれ受けたものと認められる」、「これに対し、被告ワンマン及び被告西部機販は、要旨、@本件装置1及び2の仕入代金以外に必要経費が生じているから、これらについても被告ワンマン及び被告西部機販の利益から控除すべきである、A本件特許は本件装置1及び2の販売にほとんど寄与しておらず、本件装置1及び2の売上への寄与率が10%を超えることはない、・・・・と主張する。しかしながら、上記@について、必要経費として控除できるのは、本件装置1及び2の販売に直接関連して追加的に必要になった経費に限られるものと解すべきところ、被告ワンマン及び被告西部機販の主張する経費が本件装置1及び2の販売に直接関連して追加的に必要になったものと認められないのはもちろん、そもそも同経費が現実に生じたこと自体を認めるに足る証拠が一切なく、その算定根拠も判然としない。また、上記Aについて、本件各発明は、生海苔異物除去装置の構造の中心的部分に関するものである一方、本件各発明が本件装置1及び2に寄与する割合を減ずべきであるとする被告ワンマン及び被告西部機販の主張の根拠は判然としないことに照らせば、本件各発明が本件装置1及び本件各部品の販売に寄与する割合を減ずることは相当でない」と述べている。 |