大阪地裁（平成２８年９月２９日）“臀部拭き取り装置事件”は、「本件発明２の効果の１つである拭き取りアームのデリケートな動きは、制御性能に優るサーボモータを複数用いることよって初めて実現されているものと理解されるべきであるから、サーボモータを１つだけ用い、これとそれ以外のモータを２つによって拭き取りアームを動かすイ号物件及びロ号物件は、本件発明２の構成によるようなデリケートなアーム駆動部の動きを実現しているものとはいえず、同一の作用効果を奏するものとはいうことできない。すなわち、・・・・本件発明２の構成要件である『複数のサーボモータ』をイ号物件及びロ号物件のように１つのサーボモータと２つの他のモータに置き換えることは、本件発明２の複数のサーボモータによるようなデリケートな動きが実現できず効果の点で異なるので、置換可能とはいえず、したがって均等要件のうち第２要件を充足しないというべきであるから、この点で本件発明２と均等とはいえないということになる」と述べている。