大阪地裁(平成28年9月29日)“臀部拭き取り装置事件”は、「被告らは、イ号物件・・・・の実施行為が『試験又は研究のためにする』ものであって特許法69条1項の適用があるように争う」、「そこで検討すると、証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、被告日本アシストは、被告P1とともに温水洗浄便座を使用した臀部拭き取り装置の製造を計画していたものであり、現に被告らは、『障害者自立支援機器 シーズ・ニーズマッチング強化事業』においてイ号物件の拭き取りアーム駆動部を展示するに当たり、同物件を、平成28年8月、30万円台の価格で販売することを想定している旨を対外的に告知していることが認められる。したがって、被告らが、イ号物件そのものを販売する目的がないとしても、将来、これに改良を加えて事業ベースで製造販売することを計画していたことは明らかであるから、その製造行為は明らかに事業の一環としてなされたものというべきであって、これをもって『試験又は研究』のための製造ということはできず、特許法69条1項の適用をいう被告らの主張は採用できない」と述べている。 |