知財高裁(平成9年18日)“透明不燃性シート事件「本件各明細書には、樹脂組成物の屈折率について『硬化樹脂層の屈折率測定方法は、JIS K 7142の『プラスチックの屈折率測定方法』・・・・に従う。具体的には、ガラス繊維織物が含まれていない硬化性樹脂のフィルムを、ガラス繊維織物を含む場合と同じ条件で作成し、アッベ屈折計を用いて測定する』と記載されていることが認められる。したがって、樹脂組成物の屈折率については『JIS K 7142』・・・・に規定されたA法(板状またはフィルム状試験片に適用)とB法(粉末状、ペレット状、顆粒状サンプルに適用)のうち、アッベ屈折計を用いるとされるA法により測定されることが記載されていると認められる」、「これに対し、ガラス組成物の屈折率については、いくつかの測定方法があり、測定方法が相違すると測定値も異なることがある・・・けれども、本件各特許の特許請求の範囲の記載では、ガラス組成物の屈折率の測定方法が特定されていないし、また、本件各明細書における発明の詳細な説明にも、ガラス組成物の屈折率の測定方法は明記されていないことが認められる。もっとも、このような場合であっても、本件各明細書におけるガラス組成物等の屈折率に関する記載を合理的に解釈し、当業者の技術常識も参酌して、ガラス組成物の屈折率の測定方法を合理的に推認することができるときには、そのように解釈すべきである」と述べている。

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