知財高裁(平成29年1月18日)“眼科用清涼組成物事件”は、「本件特許請求の範囲にいう『平均分子量が0.5万〜4万のコンドロイチン硫酸或いはその塩』にいう平均分子量が、本件出願日当時、『重量平均分子量』、『粘度平均分子量』等のいずれを示すものであるかについては、本件明細書において、これを明らかにする記載は存在しない。もっとも、このような場合であっても、本件明細書におけるコンドロイチン硫酸あるいはその塩及びその他の高分子化合物に関する記載を合理的に解釈し、当業者の技術常識も参酌して、その平均分子量が何であるかを合理的に推認することができるときには、そのように解釈すべきである。しかし、本件においては、・・・・『コンドロイチン或いはその塩』の平均分子量が重量平均分子量であるのか、粘度平均分子量であるのかを合理的に推認することはできない」、「本件特許請求の範囲にいう『平均分子量が0.5万〜4万のコンドロイチン硫酸或いはその塩』にいう平均分子量が、本件出願日当時、『重量平均分子量』、『粘度平均分子量』のいずれを示すものであるかが明らかでない以上、上記記載は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であり、特許法36条6項2号に違反すると認めるのが相当である」と述べている。 |