東京地裁(平成9年)“生海苔異物分離除去装置における生海苔の共回り防止装置事件「被告らは、損害賠償額の算出に当たっては本件発明の寄与度を十分考慮すべきであり、その寄与度の程度については、被告装置(サイト注:直接侵害品)については0%、本件固定リング(サイト注:間接侵害品)については5%、本件板状部材(サイト注:間接侵害品)については100%とする旨主張する。しかし、本件各発明は、共回り現象の発生を回避してクリアランスの目詰まりをなくし、効率的・連続的な異物分離を実現するものであって、生海苔異物除去装置の構造の中心的部分に関するものというべきである。すなわち、生海苔異物除去装置として、選別ケーシング(固定リング)と回転円板との間に設けられたクリアランスに生海苔混合液を通過させることによりクリアランスを通過できない異物を分離除去する装置が従来用いられていたとしても、本件各発明の解決課題を従来の装置が抱えていることは明らかであり、この点は需要者の購買行動に強い影響を及ぼすものと推察される。このことと、従来の装置の現在における販売実績等の主張立証もないことを考えると、本件各発明の実施は生海苔異物除去装置の需要者にとって必須のものであることがうかがわれる。他方、本件各発明が被告製品に寄与する割合を減ずべきである旨の被告らの主張は、いずれも具体性を欠くものにとどまる。したがって、本件各発明が被告製品の販売に寄与する割合を減ずることは相当でない」と述べている。

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