知財高裁(平成29年12月5日)“骨折における骨の断片の固定のための固定手段装置事件”は、「本件発明1は、従来の固定手段では、ピンが作動可能位置から移動してしまうことで側面開口部を通る出口を見つけられずにスリーブ内部で変形する危険性や、周囲の骨物質に移動するピンの前端部の部分が有利に曲がった状態へ変形しない危険性があったことを従来技術における課題とし、これを解決することを目的として、特許請求の範囲請求項1記載の構成、具体的には、ピン7の前方部7aが、ピンの後方部7eから第2壁面9に向かって斜め前方向に延びて湾曲前端部7fに至り、案内面12に近接する第2壁面9の前方部9aに至るようにすることを定めており、この点は、従来技術には見られない特有の技術的思想を有する本件発明1の特徴的部分であるといえる」、「被告製品は、・・・・構成要件Fの『(前方部(7a)は、)ピンの後方部(7e)から斜め前方向に方向づけられて前記湾曲前端部(7f)に至り、前記案内面(12)に近接する前記第2壁面(9)の前方部(9a)まで延在する』との文言を充足しないから、本件発明1とは、その本質的部分において相違するものであり、均等の第1要件を充足しない」と述べている。 |