東京地裁(平成29年3月27日)“酢酸ビニル系重合体の製法事件”は、「原告は、自己の貢献度に関し、本件特許1の出願に当たり明細書案の起案をしたことなどをも主張する。しかしながら、弁論の全趣旨によると、明細書を完成させたのは原告以外の従業員であったと認められる上、そもそも、職務発明の対価の算定の基礎となる共同発明者(従業者等)への配分割合は、被告の独占的利益に対する共同発明者の当該発明による貢献の度合いと、それ以外の貢献(使用者等及び他の従業員等の貢献並びに当該共同発明者の発明以外の行為による貢献)の度合いとを比較考量して決すべきものと解される・・・・。明細書の起案といった出願業務については、従業員であれば給与等により、外部の弁理士であれば委託報酬により対価が支払われるのであって、職務発明の対価の算定において共同発明者の貢献要素として考慮すべき筋合いのものではない」と述べている。 |