知財高裁(平成9年42日)“石碑型納骨室事件原告は、本願発明2は、納骨室と安置室の二つの独立した部屋を重ねて構成されているものであり、故人の部屋と捉え居住環境を装備した『石碑型納骨室』であること、既存の納骨堂には供養の年忌期間中の個人の部屋と捉えたものはなかったことを前提に、刊行物1発明は、従来の納骨堂を主体に納骨する空間作りを考えており、本願発明2のように、故人の部屋という感覚はないから、本願発明2の『個人の情報の漏えいを防ぐ事を特徴とする納骨室』は、新規なものに設置したことに新規性があり、特殊性があるなどと主張する。しかし、本願の請求項2には『個人の情報の漏えいを防ぐ事を特徴とする納骨室』との記載があるのみで、本願発明2を特定する事項として、原告が主張するような納骨室と安置室の二つの独立した部屋を重ねて構成される『石碑型納骨室』であることや『故人の部屋』であることは何ら特定されていないから、そのことを理由に、本願発明2が新規なものであり、刊行物1発明と異なる構成であるとの原告の上記主張は、特許請求の範囲の記載に基づかないものである。したがって、本願発明2が『石碑型納骨室』であることなどを前提とする原告の上記主張は、本願発明2の発明特定事項に基づかないものであるから、採用することができない」と述べている。

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