知財高裁(平成29年4月17日)“医療用ガイドワイヤ事件”は、「請求項1記載の『Au−Sn系はんだ』の意義につき、本件明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌するに、発明の詳細な説明には『本発明で使用するAu−Sn系はんだは、例えば、Au75〜80質量%と、Sn25〜20質量%との合金からなる。』・・・・との例示はあるものの、これを除けばその定義を含め何らの記載もない。実施例である『Au−Sn系はんだ』の固着性に係る試験結果及び比較例である『Ag−Sn系はんだ』の同試験結果の記載部分・・・・においても、『Au−Sn系はんだ』の具体的な組成については記載がない。そうすると、請求項1に記載の『Au−Sn系はんだ』の意義については、一般的な技術用語の意味に解し、『Au及びSnを主成分として含むはんだである必要があり、AuとSn以外のその他の元素や金属間化合物を含有しても、しなくてもよく、含有しない場合、Auと、Snの成分比率も何ら限定されない『はんだ』』と解釈するのが適当である」と述べている。 |