東京地裁(平成29年5月17日)“掘削装置事件”は、「原告は、本件訂正発明1の1の実施による被告の利益を算定するに当たっては、本件発訂正明1の1を実施した工程の代金のみならず、請負代金額の全額を基礎とすべきと主張する。しかし、本件訂正発明1の1は、掘削装置に関する発明であり、掘削工事以外の工程には使用されない。そして、・・・・『内訳明細書』・・・・によれば、被告は、現場@について、本件訂正発明1の1を実施した掘削工事である『先行削孔砂置換工』のみを受注したものではなく、『道路改良工事』を受注し、上記掘削工事の他、本件訂正発明1の1を実施していない工事である『場所打杭工』、『鋼矢板工』及び『桟橋盛替工』の各工事を行っており、これらの工事の代金(直接工事費)については、本件訂正発明1の1を実施していないのであるから、本件訂正発明1の1の実施があったためにその余の工事の受注ができたなどの特段の事情がない限り、本件訂正発明1の1を実施したことにより被告が受けた利益に当たるということはできない。そして、本件において、上記事情を認めるに足りる証拠はない」と述べている。 |