知財高裁(平成9年79日)“酸味のマスキング方法事件本件明細書・・・・には、本件発明における酸味を呈する製品としてはクエン酸等を含有するもの、例えば、飲料が挙げられる旨記載されていることが認められる。そうすると、特許請求の範囲に記載された『クエン酸を水溶液濃度で0.1〜0.3%含有する製品』又は『クエン酸含有製品』としては『クエン酸を0.1〜0.3%含有する飲料』又は『クエン酸含有飲料』が挙げられることは、本件明細書の記載及び本件出願時の技術常識から当業者にとって明らかであるといえる。そうすると『クエン酸を水溶液濃度で0.1〜0.3%含有する製品』を『クエン酸を0.1〜0.3%含有する飲料』とし『クエン酸含有製品』を『クエン酸含有飲料』にする各訂正は、特許請求の範囲を減縮するものである上、当該各訂正後の上記飲料も本件明細書に開示されていたといえるから、本件明細書に記載した事項の範囲内においてしたものといえる。したがって、上記訂正は、本件当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものと認められるから、特許法134条の2第9項で準用する同法126条5項の規定に適合する」と述べている。

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