知財高裁(平成29年8月22日)“ランフラットタイヤ事件”は、「本件発明6は、サイド部の補強用ゴム組成物に、180℃から200℃における貯蔵弾性率の最大値と最小値の差ΔE’が2.3MPa以下であり、天然ゴムを含むゴム組成物を採用したランフラットタイヤである。そして、本件明細書の発明の詳細な説明には、サイド部の補強用ゴム組成物のゴム成分として、通常用いられるものを適宜選択することができるとされ、さらに具体例が列挙され・・・・、配合が好ましい熱老化防止剤が具体的に挙げられ、その配合量も記載され・・・・、配合が好ましい劣化防止剤が具体的に列挙され、その配合量も記載されている・・・・。また、本件明細書の発明の詳細な説明には、180℃から200℃における貯蔵弾性率の最大値と最小値の差ΔE’が2.3MPa以下であり、天然ゴムを含むゴム組成物を、サイド部の補強用ゴム組成物に採用した6例の実施例が列挙されている・・・・。そうすると、当業者は、上記各記載に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、本件発明6に係るランフラットタイヤを製造することができるというべきである」、「本件発明6に係る本件明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本 件発明6の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているものであるから、実施可能要件を満たす」と述べている。 |