知財高裁(平成29年8月30日)“可逆熱変色性筆記具用水性インキ組成物事件”は、「本件発明のように平均粒子径を規定する場合には、ある粒子径(代表径)の定義を用いて、ある基準で測定された粒度分布が与えられることが必要と解されるところ、粒子径(代表径)の定め方には、定方向径、ふるい径、等体積球相当径、ストークス径、光散乱相当径など、種々の定義がある。そして、粒子の形状に応じて、以下のとおりとなる。(ア)球形粒子(略球形の粒子を含む。)の場合には、直径をもって粒子径(代表径)とするのが一般的であり、同一試料を測定すれば、ふるい径等の一部を除いて、粒子径(代表径)の値は、定義にかかわらず等しくなる。(イ)非球形粒子の場合には、同一試料を測定しても、異なった粒子径(代表径)の定義を採用すれば、異なる粒子径(代表径)の値となり、平均粒子径も、異なってくる」、「以上によれば、本件発明の『平均粒子径』の意義が明確といえるためには、少なくとも、@『可逆熱変色性マイクロカプセル顔料』が球形(略球形を含む。)であって、粒子径(代表径)の定義の違いがあっても測定した値が同一となるか、又はA非球形であっても、粒子径(代表径)の定義が、当業者の出願時における技術常識を踏まえて、本件特許請求の範囲及び本件明細書の記載から特定できる必要がある」、「本件発明には非円形断面形状のマイクロカプセル顔料も含まれると解されるので、本件発明が明確といえるためには、・・・・粒子径(代表径)の定義が、当業者の出願時における技術常識を踏まえ、本件特許請求の範囲及び本件明細書の記載から特定できる必要がある」、「本件特許請求の範囲及び本件明細書には、粒子径(代表径)の定義に関す |