東京地裁(平成30年1月22日)“地盤改良装置事件”は、「原告Aは本件各発明の共同発明者であるところ、・・・・被告は、本件特許出願に際して、本件各発明の発明者として原告Aの氏名を記載していない。この点に関して、原告Aが、本件特許出願に関し、本件各発明の発明者として自らの氏名を記載しないことを了承したと認めることが困難・・・・であり、被告には、原告Aの氏名を記載しなかったことにつき、少なくとも過失が認められる。被告の上記行為は、原告Aが本件各発明について発明者として記載されるべき人格的利益を侵害するものとして不法行為を構成するというべきであり、これにより原告Aが受けた損害を賠償する責任を負う。そこで、原告Aが受けた損害につき検討すると、原告Aが本件各発明の共同発明者と認定する本判決が確定すれば、原告Aは本件特許出願書類中の発明者の表記を訂正できる可能性があること、本件特許出願が公開されたのは平成27年8月3日であること、原告らは本件特許出願が公開される前に自ら本件角堀掘削ヘッドを基にした発明について特許出願しており、原告らを発明者とする同特許出願は、平成28年5月30日には公開されていることなどなどの事情によれば、発明者として記載されるべき人格的利益を侵害されたことによる原告Aの損害としては、慰謝料30万円、弁護士費用相当額3万円の合計33万円を認めるのが相当である」と述べている。 |