東京地裁(平成0年)“骨切術用開大器事件被告製品の角度調整器のピンと留め金の突起部は、2対の揺動部材が組み合わされた状態で一方の部材が他方の部材に係合するための係合部に相当し、本件発明のように、揺動部材の一部に係合部を設ける構成を、被告製品の角度調整器のピンと留め金の突起部に置き換えたとしても同様の効果を奏すると認められる」、「これに対し、被告は、揺動部材を閉じる際に、一方の揺動部材を閉じていくと、他方の揺動部材との係合が自動的に解除されるとの点も本件発明の作用効果に含まれるとの解釈を前提に、被告製品の場合、一方の揺動部材を閉じるだけでは、他方の揺動部材との係合は自動的に解除されないことから、本件発明と同一の作用効果を奏さないと主張する。しかし、本件明細書等に記載された本件発明の効果は『本発明によれば、切込みを拡大した状態に維持しつつ、移植物の挿入を容易にすることができる』・・・・というものである。このような効果は、2対の揺動部材で切込みを拡大した後に1対の揺動部材を取り外すことにより実現することが可能であり、係合の解除が自動的に行われることは本件発明の効果に含まれないというべきである」、「したがって、被告製品は第2要件を充足する」と述べている。

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