知財高裁(平成0年3)“発光装置事件従業者が、職務発明について使用者に特許を受ける権利を承継させ、使用者において、当該特許を自己実施して第三者に実施許諾をしていない場合『その発明により使用者等が受けるべき利益』とは、当該発明の実施品の売上高のうち、同発明につき第三者の実施を排除して独占的に実施することにより得られたと認められる利益の額であり、法定の通常実施権に基づく実施を超える部分(以下『超過実施分』という)について、第三者に発明の実施を許諾した場合に得られる実施料率(仮想実施料率)を乗じて算定するのが相当である」、「超過売上率については、@開発された当初から量産化が進んだ第T期、AA非実施品が販売され、A実施品と併用された第U期、B技術の陳腐化に加え、LED光源そのものの向上、光拡散レンズの性能向上などにより光拡散レンズ数の使用数が必然的に減少する第V期の3つの時期に分けて検討するのが相当である」、「超過売上率は、第T期(平成1年度から平成5年度)は0%、第U期(平成6年度から平成9年度)は0%、第V期(平成0年度から平成6年3月(サイト注:本件特許Aの存続期間の満了月)まで)は0%とみるのが相当である」、「仮想実施料率についても、超過売上率と同様の事情を考慮し、第T期ないし第V期に分けて検討すべきであり、第T期(平成1年度から平成5年度)は3%、第U期(平成6年度から平成9年度)は1.5%、第V期(平成0年度から平成6年3月まで)は0.5%とみるのが相当である」と述べている。

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