大阪地裁(平成0年3)“スプレー缶用吸収体事件「被告は、本件発明の技術内容が製品の外観からは認識できないから購買動機に関係せず、他方、被告製品は、独自の技術で評価を得ているから、本件発明の寄与率は極めて小さいと主張している。確かに、証拠・・・・によれば、6社のエアダスター商品を比較した消費者向け雑誌の記事において、商品評価の項目として、風量、使い勝手、無臭性、捨てやすさが評価項目とされ、被告製品は、風量及び無臭性の項目で他社商品に比較して高い評価を得ていることが認められるが、その評価項目の内容は、本件発明の技術内容とは関係しないものである。他方、本件発明の技術的意義は、吸収体について液化ガスの吸収性、保持力を良好に保ち、液漏れを防止するというものであるところ、これもエアダスター(スプレー缶製品)としての性能評価に結びつくものであるが、上記の雑誌記事で評価項目とされていないことからも明らかなように、消費者に対する商品の訴求力として弱いことは否めず、そうであるなら、上記事由は、特許法102条2項の推定覆滅事由として考慮すべき事情であるといえる」、「被告主張の推定覆滅事由は、上記・・・・の認定説示の限度で認められ、覆滅率は0%とするのが相当である」と述べている。

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