知財高裁(平成0年5)“建築板事件本件特許の出願当時、インクジェット用のインクとして、水性インク及び紫外線硬化型インクは、いずれも周知のものであり・・・・、建材分野においても、本件特許の出願当時、無機顔料からなるインクジェット用インクとして、水性インク及び紫外線硬化型インクは選択的に用いることができることが知られていたものであるから・・・・、建材分野におけるインクジェット用インクとして水性インクと紫外線硬化型インクのどちらを用いるかは、当業者において適宜選択し得たものといえる。また、紫外線硬化型インクは、インク受理層を必要としないこと、基材との密着性に優れること、耐候性に優れていること等のメリットがあることが知られていたものである・・・・。 そうすると、・・・・引用発明は、耐退色性を高く得ることができる化粧建築板を提供することを解決課題とするものであるから、引用発明に、水性インクと選択的に用いることが可能であり、耐候性に優れている等の点で引用発明における課題の解決に資するものである、周知の紫外線硬化型インクを採用する動機付けは存在するといえる。よって、引用発明の水性インクを周知の紫外線硬化型インクに置換し、相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものである」と述べている。

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